アメリカ在住自動車系エンジニアのブログ

Diary of A Japanese Automotive Engineer in U.S.

何故アメリカに移住したのか? Part-1

こんにちは、アメリカ在住自動車系エンジニアのDanです。

 

皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

私の住むミシガン州は冬は-20℃を下回る事もある程の寒冷地ですが、夏は乾燥し比較的涼しい気候をしており、ミシガンに住む人々はこの1年で最も心地良い季節の間、最大限自然のアクティビティを楽しみます。

勿論私も例外ではなく、すくすく成長する4歳の娘を連れ出してフルーツ狩り、虫取り、キャンプや旅行など毎週末の予定を埋めるのに忙殺されています😁

写真はこの夏の思い出の一部です。

カナダ側からデトロイトを眺める

近所の公園で虫取り

近所の湖の花火大会

ブルーベリー狩り


さて、今回のトピックは私が何故アメリカに移住したのか、です。

大きく分けて以下の理由があります。

まず前提としておきたいのが、日本と比較した結果、アメリカの方が私に合っていた、という事です。

決して日本が悪いと言う事を言いたいわけではありません。

①労働環境

②給料

③多様性

④自然


まずは労働環境から。

私の居る自動車業界の多くは8-17時の8h勤務を採用しています。ただ、会社によってはそれは規定上の話であって、実際はコアタイムさえ勤務していれば、勤務時間は個人の裁量に任せられていています。規定では8h勤務が基本ですが、実際はそれ以下であるケースは多々あります。極端に少ない日があれば他の日で補填したりして調整します。

タイムカードや勤怠履歴の様なものはないので、実績をトラッキングされる事もありません。


また、家庭の事情で早退勤や中抜けしたり、勤務時間をフレキシブルにする事に対して寛容な文化だと感じます。

日本と違い、年齢によっては子供の学校の登下校は親が送迎する必要があったり、子供を一人で遊びに出かけさせたり留守番させられませんので(警察沙汰になります。。!)、仕事をしつつ子供の対応をするのが一般的です。

従って、特に小さい子供が居る家庭は勤務時間がかなりフレキシブルです。

私も子供の対応で早退勤した日は子供を寝かしつけた後に仕事を再開する事もしばしばあります。

これらはあくまで私の経験や聞いた情報に基づいていますので、どの企業でも同じではないかもしれません。

結果を出している事が前提となる事は当たり前ですが、このフレキシビリティーは小さい子供がいる私にとってとても大きな魅力でした。お陰で、子供の成長の重要な局面の多くに立ち会う事ができました。


また、残業はいわゆる繁忙期の時はありますが、組織のリソースのキャパを大幅に超えた業務量、というものは基本的には起こり得ません。

私が日本に居た時は、人は増えないが新規受注ばかり増えて人のやり繰りが追いつかず、個々人の深残業でカバーする状況が多々ありました。

アメリカでは、どうやっても人のやりくりをできないような、リソースのキャパを大幅に超える案件は受注を避けるケースが多々ある様に感じます。

どうしても受注が必要であれば、人を雇うなりして、一人当たり60-80h月に残業を強いるなんて事は、私の経験上無いです。

仕事だけで1日が終わってしまうような事はなく、いわゆるワークライフバランスの観点で言うと素晴らしいです。

近年、日本にもそういった企業は多くあるかむしれませんが、アメリカではこれが常識となっています。


また、自動車業界に限ってですが、企業の多くがニューヨークやシカゴの様な大都市部ではなく比較的広大な土地のある都市近郊部、もしくは田舎にありますので電車交通網はほぼなく、車通勤が基本です。

家から5-10分くらいの会社に勤めていればランチに家に帰る、急用の為に一旦家に帰るなんて事もできます。私の経験では、日本では出社したらそんな事はできませんでした。

これらの事から、私にとってアメリカの労働環境は日本と比較にならない程魅力的でした。


次は給料です。

結論から言うと、アメリカでいただける給料と日本の給料の差は1.5から2倍近くあると思います。

私の居る自動車業界は比較的給料水準が高い業界です。よくある役職体系ですが、Engineer-1からスタートして、Engneer-3もしくは4までがいわゆる一般役職、それから管理職としてEngineering manager、Senior manager、General manager、Director / Vice presidentがあります。

企業にもよりますが、私の住むミジカン州では大卒間もないエントリーレベルで$60Kから65K, まれに70Kくらいが一般的な相場の様に感じます。これは現在の為替レートでいうと¥8,100,000から¥9,450,000に値します。

Engineering managerになると$100K〜120Kあたりの相場感です。

また、専門性の高い技術を持ったサプライヤーや、自動車OEMはそれらより更に高い相場感です。


私が日本に居た時は中間管理職でしたが、いただいていた給料は言うまでもなくアメリカのそれとは比較にならない程差がありました。

言い方が悪いですが、それを知った時に私の専門性•スキルに対して、その給料で雇われている事実に失望し、馬鹿馬鹿しくなってしまいました。

そりゃ〜良い人材は海外に出ていくよねと。。😅

私としては、アメリカで働く以外選択の余地はありませんでした。


今回は労働環境と給料についてお話しさせていただきました。

少しでも海外への移住、働く事に興味を持っていたどけたら幸いです。

続きは次回、それではまた!

Dan


アメリカで働く自動車系エンジニア

初めまして!

アメリカで働く自動車系エンジニアのDanです。

このブログでは自動車系エンジニアによるアメリカ生活の様子や、アメリカで活躍されたい方へ様々な情報をお届けします。

 

本ブログでは、 以下カテゴリの情報提供を行います。

若い方や、いわゆる中堅層の方々の海外進出の動機付けや、アメリカで働きたい方の転職に向けた戦略構築やキャリアパスのご参考になれば幸いです!

1: アメリカで働く日本人自動車エンジニアの経験

2: 自動車エンジニアがアメリカで働く、転職するための戦略

3: アメリカ企業で生き抜く為のスキル・ノウハウ

4: アメリカ生活について

 

アメリカ含め海外で働く方法を教えてくれるYoutubeやブログは星の数ほどあります。

もしあなたがアメリカ企業への転職を調べた事があるなら分かると思いますが、ITエンジニアの事例ばかり出てくるはずです。

実際に今のアメリカではITエンジニアの需要が一番高いのは間違いありません。

 

私の様に自動車系エンジニアがどういったキャリアパスを辿れば良いか、また実際にどういった方法で自分が応募する資格があり、興味を持ってもらえるアメリカの企業を効率良く探すのかを教えてくれるものはありませんでした。私の経験から自信を持って言えますが、多くのブログやウェブサイトで紹介されている様に求職サイトや転職エージェントに登録して闇雲に進めてもほぼ100%上手くいきません。

日本の企業で勤めながらアメリカの企業に転職するプロセスは、良い学歴や特定の領域で高い専門性を有したとしても本当に難しい作業です。

 

このブログが自動車系エンジニアがいかにしてアメリカ企業に転職して働く事ができたのかを、私の経験に基づいた実用的且つ有益な情報をお伝えする唯一の情報源になると信じています!

 

今回は初めての投稿ですので、簡単に私の履歴紹介をさせていただきます。

私Danは、アメリカ在住の自動車関連の部品設計エンジニアです。

日本の4年制私立大学を卒業後、日本の自動車部品サプライヤーに新卒で入社。

アメリカへの駐在期間を含め約13年間、設計エンジニアとして勤めた後、

アメリカ国内の企業に転職し、現在に至ります。

 

日本で社会人になった時点では海外志向はゼロで、もちろん英語など恥ずかしいほど全く話せませんでした。。

TOEICは220-230点程度でした。

ところが運命の悪戯かアメリカ子会社への駐在が決まり、人生が変わりました。

 

アメリカにおける人種や個々人の多様性、仕事環境(ワークライフバランス・人事評価・給料)、北アメリカの壮大な自然に心を打たれ、いつしかアメリカで長く暮らしたい、働きたいと夢見るようになりました。

多くのアメリカ駐在員も同じ思いに駆られますが、夢を心の中にしまいつつ、日本へ帰任して行くのを何度も見ました。

ですが人生は一度きり、私は自分の心に正直であろうと決意しました!

最終的に時間はかかりましたが、自らの力でアメリカ企業への転職を勝ち取りました。

 

私は素晴らしい学歴や、専門領域での突出した実績を持っているわけではありませんでしたので、ひょっとすると皆様に参考にしていただき易いモデルかもしれません。

 

これから様々な情報をお届けしますので、是非お楽しみに!

Dan